光回線の撤去工事費とは、光回線を解約した場合に「光回線の引込設備の撤去」「自宅の壁に穴を開けた場合の防水加工等の措置」「自宅の光コンセントの撤去」などが一般的に光回線の撤去工事になり、光回線解約と共に、請求される費用になります。
しかし、光回線の撤去工事費用は掛かる会社とかからない会社があります。
それは、
- NTT東日本・西日本フレッツ光、または光コラボレーションの回線
- NTT以外の独自回線
などの違いです。
NTT東日本・西日本フレッツ光または光コラボレーションの回線は、光回線の引き込む線や設備をそのまま残すことが可能で、撤去したとしても費用が掛かりません。
しかし、NTT以外の独自光回線の場合は、「引き込む線や設備をそのまま残すこと」はできず撤去工事費用が掛かるということです。
1.そもそも光回線の撤去工事って何をするの
光回線の撤去工事は主に、3つのタイプに分けられます。
光回線の引込設備の撤去工事 | 10,000円~28,000円程度 |
(住宅の)壁に穴を開けた場合の防水加工等の措置 | 無料~5,000円程度 (上記の引き込み設備撤去と一緒になるケースが多い) |
光コンセントの撤去 | 5,000円~10,000円程度 |
以上が基本の撤去工事です。
注意したい点としては、光回線の導入時の初期工事に掛かった費用を分割払いしており、支払いを完了せずに解約する場合は、どの会社も一括払いで請求されてしまいます。これは初期工事費なので、光回線の撤去工事には入りません。
今回は「auひかり」の撤去工事を例に確認していきます。
(1)引込設備の撤去工事
(出典:auひかり ホーム:工事内容)
- 最寄り電柱から光ケーブルの引き込み
- 光ケーブルの引留め
- 光ケーブルの保護・固定
まで、光ケーブルを自宅に引き込むまでの工事が「引込設備の撤去工事」になります。
各社、光回線の撤去工事で一番費用が掛かる部分であり、基本的に撤去工事というとこの「引込設備の撤去工事」のことを指します。
(2)壁に穴を開けた場合の防水加工等の措置
(出典:auひかり ホーム:工事内容)
光回線の引き込み工事は、電話線の配管を利用したり、エアコンダクトを利用したりします。しかし、電話線もエアコンダクトも利用できない場合、「新規の穴あけ」工事を行います。
この「新規の穴あけ」の「穴埋め」工事を行ってくれます。
こちらは任意の場合が多く、依頼すると「穴埋め」工事を行てくれる会社が多いです。穴を開けるケースも少ないため、該当しない方には不要な工事です。
(3)光コンセントの撤去
(出典:auひかり ホーム:工事内容)
こちらも任意の撤去工事になります。
光コンセントの撤去は自分で行える簡単なものではないため、撤去する場合は工事の依頼をしましょう。
光コンセントの撤去が必要ない場合の例
- そもそも光コンセントがある住宅(マンション)だった場合
- 光回線を通した自宅が持ち得の場合
- 賃貸の管理会社やオーナーが撤去しないことを承諾した場合
以上のいずれかに該当する場合は光コンセントの撤去は不要といえます。
撤去費用は各社1万円程度のため、賃貸でも撤去しなくても良い場合もあるので、管理会社やオーナーに確認しましょう。
2.なぜ光回線の撤去工事を行う必要があるのか?
疑問に思ったことはありませんか。
「なぜ?光回線の撤去工事を行う必要があるのか」ということです。
各社、光回線の撤去工事に関する詳細は伏せているものの、「auひかり」は記載があり、「電柱からお客さま宅内までの光ファイバー引き込み設備を撤去」しないと保守などの維持費が掛かるためとされています。
また、利用者の都合で引き込み工事が出来ない場合は、「設備が残ることにより発生する維持費相当をお支払いただきます」と記載してあります。
そのため、
- 「NTT以外の独自の光回線は撤去工事費が掛かる」場合が多い
- 「NTT関連の光回線は撤去工事費が不要」
という結論に至ります。
また、NTT東日本・西日本フレッツ光は、「電柱から宅内までの光ファイバー引き込み設備を撤去」したとしても無料で行ってくれるそうです。
光回線を選ぶ基準はフレッツ光関連の回線が良い?
ここまで確認すると、光回線の撤去工事が不要なフレッツ光または、光コラボレーションの回線が良く見えますが、地域によっては光コラボレーションの回線は速度が遅いという事例も出ています。
(回線速度事例に関しては:「光回線「上り」「下り」の平均速度を利用者の声「遅い・速い」から調査・分析してみた」を確認してください。)
そのため、光回線を継続的に利用方は撤去工事費というデメリットを確認の上、光回線を選ぶことをお勧めします。
引っ越しなどの理由で解約が目に見えている方は光コラボレーションの光回線を選択すると良いでしょう。
フレッツ光や光コラボレーションの光回線が必ずしも遅いというわけではありません。
3.撤去工事が不要な光回線会社
先ほど説明したように光回線の撤去工事が不要な光回線はNTT東日本・西日本のフレッツ光と、光コラボレーションを利用している光回線です。
そのため、有名な光回線会社を並べると以下になります。
- NTT西日本・東日本フレッツ光
- ドコモ光
- ソフトバンク光
- NURO光
- ビックローブ光
- so-net光
- @nifty光
- excite(エキサイト)光
- DTI光
- OCN光
- DMM光
などの光回線会社は撤去工事が不要です。
撤去工事費と中途解約違約金は違うので注意しましょう。
光コンセントの撤去が必要だと費用が掛かるので注意
光コンセントの撤去は任意のため、「電柱から宅内までの光ファイバー引き込み設備を撤去」の費用は掛からなかったとしても、光コンセントの撤去費用が掛かる場合があります。
各社1万円程度の価格設定のため、必要な方は依頼しましょう。
NURO光は独自回線だが光回線撤去費用はかかならい?
NURO光は、光コラボレーションではない、光回線です。しかし、NURO光の撤去工事は任意になっています。
ご解約に際して回線撤去工事などはございません。
※ 撤去工事を希望される場合は、NURO サポートデスク までお問い合わせください。
10,000 円 (税抜) にて撤去工事をおこなわせていただきます。
「引用元:退会時の注意事項 (NURO 光をご利用中のお客さま)より」
NURO光は、光コラボレーションではありませんが、NTTのダークファイバーを利用しています。これは、NTT東日本・西日本フレッツ光が「利用していない光ファイバー(ダークファイバー)」を利用しているためです。
そのため、NTT関連の光回線となるため、撤去工事費用は任意になっているのではないかと予想されます。
4.光回線の撤去工事費が掛かる会社と費用
撤去工事費が掛かる光回線会社と、その費用について説明していきます。
![]() | 撤去工事費:28,800円 (任意)光コンセント撤去費:10,000円 |
![]() | 設備撤去費用:10,000円 |
![]() | 2016年8月1日以降の契約:12,000円 2012年6月1日以降の契約:10,000円 |
![]() | 撤去費用:10,000円 |
![]() | 屋内残置:0円 軒先残置:5,000円 引込線全撤去:10,000円 |
![]() | 撤去工事費:5,000円 |
※コミュファ光の場合、光テレビの撤去工事費が「映像用回線終端装置を残置しない場合」のみ17,000円かかります。
調べてみると、NTT以外で光回線を独自に運営している会社のほとんどに撤去工事費が掛かります。
5.光回線の撤去費用を無料にすることは可能?
光回線会社自体の撤去工事費用を無料にすることはできません。
しかし、光回線を別の会社に契約を切り替える場合は「光回線の撤去費用を無料にすることは」可能といえます。
他の固定ブロードバンド回線や光回線から、乗り換え(転用)すると、様々なキャンペーンが用意されています。
光回線の撤去工事費用を補てんしてくれるのは、大手では2社となっており、
- ソフトバンク光:最大10万円まで
- au光:最大3万円まで
となっています。
この金額は、光回線の撤去工事費だけではなく、「中途解約の違約金」も含んでいますが、2社比べても差は歴然です。
ソフトバンク光の乗り換えで撤去工事費は無料に?
ソフトバンク光の乗り換えキャンペーンを見てみましょう。
キャンペーン名 | 乗り換え新規でキャッシュバック/割引きキャンペーン |
キャッシュバック | ・24,000円キャッシュバック ・または月額利用料最大1,000円×24ヶ月 ※回線工事費の費用をキャッシュバックしてくれます。 ※回線工事費が1万円以下の場合、キャッシュバックは1万円となります。 (月額の場合は1,000円×10ヶ月) |
他社解約時の違約金 | 全額キャッシュバック ・違約金・撤去費用・他社モバイルブロードバンド機種代金の残債など (最大10万円) |
適用条件 | ・他社サービスを利用している方 (他社固定ブロードバンド回線・他社モバイルブロードバンド) ・回線工事費が発生すること ・特典適用確定日時点において、対象サービスご利用中であること ・支払い方法を指定の支払い方法に従うこと 以上の条件をすべて満たしている方 |
キャンペーン期間 | 2017年9月15日~適用 (予告なく変更あり) |
他社利用証明方法 | 証明書貼付シートを記載 |
キャンペーン適用外 | ・フレッツ光からの乗り換えは対象外 ・一部のCATV業者からの乗り換えの場合、他社解約時の違約金はなし |
「光回線の乗り換え(転用)キャンペーンを3社比較してみた」より引用。
キャッシュバックという形態を取っていますが、実質かかった撤去工事費は無料になります。今後も利用される方限定になるため、光回線を利用しない方は適応外になります。
光回線は費用で選ぶことも重要だが速度なども確認を
光回線を選ぶポイント、切り替えるポイントとして
- 初期費用(初期工事費)や解約費用(違約金・撤去工事費)が安いこと
- 月額料金が安いこと
- 速度が速く安定していること
- 安心して利用できるサポートがあること
などが挙げられます。
そのため、キャンペーンも重要ですが、ずっと利用できる光回線会社を選んでみてください。
詳しくは「光回線を比較!本当はどこがいい?選ぶポイント」を確認してください。
光コンセントだけは管理会社や家主との交渉で撤去工事がいらない可能性もある
光コンセントの撤去工事は、利用者の任意としている光回線会社が多く、利用者としてはお金が掛かることは避けたいものです。
しかし、光コンセントを撤去する理由の多くは、管理会社や家主との契約(原状回復)のためです。
光回線の利用者は年々増加しています。そのため、「光コンセントの撤去を行わなくても良い」という交渉が出来れば、撤去工事費は掛かりません。
まとめ
光回線を自宅に導入する理由は様々ですが、引っ越しの可能性や解約の可能性がある場合は、光回線の撤去工事費も考慮に入れて、光回線を選びたいものですね。
すでに選んでしまった方は継続して利用する方法や、撤去工事費用が掛からないように交渉する方法が有効です。