ご利用中の光回線が遅いと感じた場合、どのような対処を行うことが出来るでしょうか。このページでは、光回線が遅くなる原因と対処方法を詳しく説明していきます。
1.光回線が遅いと感じたら初めに確認すること
光回線が遅い、インターネットが急につながらなくなった、遅くなったなどの場合には、まずは、以下のことを実施してみてください。
簡単に行える方法が多いため、こちらで遅い原因を対処できたら非常に楽です。
(1)回線速度が本当に遅いかチェックする
(画像:光回線「上り」「下り」の平均速度を利用者の声「遅い・速い」から調査・分析してみたより)(上画像は、光回線で「遅い」「速い」コメントしている方の参照値です。)
光回線は、最大概ね1Gbpsと記載がありますが、ベストエフォート値(理論上の数値)となり、実際に1Gbpsの速度は出ません。
そのため、本当に回線速度が遅いかチェックすることが大切です。
曜日や時間などによっても、速度は変動するので、定期的にチェックしてみましょう。
(2)光回線の契約プランを確認する
サービス名称に「光」と記載があっても、光回線の一般的な速度である1Gbps(1000Mbps)の速度とは限りません。
サービス内容を確認したら、「100Mbpsだった」などということは良くあり、まずはサービス内容を確認してみましょう。
それは、「遅いのは当たり前だよね」と原因を知ることが出来ます。
対処法としてはサービスプランを変更する、または新しい光回線会社に乗り換えるなどの方法が最善です。新しい光回線会社に乗り換える場合は「光回線を比較!本当はどこがいい?おすすめはコレ」を確認しておきましょう。
(3)モデムや無線LANを再起動する
モデムや無線LANなどを再起動させてみましょう。
再起動といっても、コンセントを抜くだけで構いません。(コンセントを抜くだけでは再設定の必要などないため安心してください。)
理由は様々ありますが、再起動を行うだけでインターネット速度が改善した事例が多く、私もその1人です。
特に、「今日から急に回線速度が遅くなった」などの場合は再起動をまずは行ってみましょう。再起動することで、比較的混雑が少ない経路に再接続され、速度が改善される場合があります。
(4)パソコンやスマホなどのOSをチェックする
パソコンであれば、パソコンが古い場合やウィルスソフトを入れており、パソコン自体の挙動が遅い場合、光回線でも動きは遅く、インターネットが遅いように感じます。
まず、「パソコンがサクサク動くのか」という確認を行いましょう。(無料のウィルスソフトなど、パソコンの挙動を遅くする原因です。)
また、スマホやタブレットの場合、OSが古いと光回線に影響を与える場合もあります。そのため、最新のOSにアップロードするなどの対策を行いましょう。
(5)利用しているLANケーブルを確認する
光回線で利用しているすべてのLANケーブルを確認してみてください。(モデムの接続に利用しているLANケーブルも見逃さないでください。)
そこに、「CAT:6」「CAT:5」などの記載があるはずです。この記載はLANケーブルの規格を表すもので、光回線であれば「CAT:5e」以上(CAT6、CAT6A、CAT7)のケーブルを選ばなければ、回線速度は低下する可能性が高いです。
「LANケーブルを変えたら速くなった」という事例は意外と多く、昔から利用しているLANケーブルは注意が必要です。ケーブルの規格によって最大周波数が違い、光回線の速度に影響が出ます。
(6)光回線、プロバイダに障害が出ていないか確認する
「今日から急に光回線が遅くなった」「インターネットがつながらない」などの場合は、
- 光回線サービス提供会社
- 利用中のプロバイダ
などに障害が出ているケースがあります。
契約中の各サービス公式サイトへ行き、障害やメンテナンス表示が出ていないか確認を行いましょう。
2.状況別の光回線が遅くなる原因
光回線が遅くなる原因としては、
- 利用中のパソコンの問題
- 光回線のネットワーク機器の問題
- 宅内配線関連(機器を含む)の問題
- プロバイダの問題
- 光回線の問題
大枠として、上記の5つの問題が原因で回線速度が遅くなっている可能性がありますが、原因別に確認していきましょう。
(上記の「光回線が遅いと感じたら初めに確認すること」を行った前提条件で説明をしていきます。)
(1)光回線の夜やゴールデンタイムが遅い原因
光回線を利用していて、夜やゴールデンタイム(19時から22時ぐらい)が遅いと感じる場合があります。
その原因のほとんどは、光回線の混雑によるものです。夜やゴールデンタイムはインターネットを繁盛に利用している方が多いため、混雑して遅くなるというものです。
まず、本当に夜やゴールデンタイムで回線が遅くなるかどうか、回線速度をチェックしてみましょう。本当に遅くなったのか確認を終えたら、混雑して回線が遅くなる原因の「プロバイダ」に問題がある場合の対処法を確認しましょう。
マンションで光回線を利用している方は、以下読み進めてみてください。
(2)マンションで光回線が遅い原因
マンションで光回線が遅いと感じている場合は以下の項目順に確認してきましょう。
マンションでの配線方式の確認
マンションでの光回線の接続方式は3つあります。
VDSL方式 | 【問題】 共有部分まで光回線、その後、電話線を利用して引き込む方式 |
LAN配線方式 | 【問題がある可能性】 共有部分まで光回線、その後、LANケーブルを利用して接続を行う方式 |
光回線方式 | 【全く問題なし】 共有部分から宅内に至るまで光回線で接続する方式 |
確認し、「VDSL方式」と「LAN配線方式」だった場合は以下の対処法を確認してください。
光回線方式だった場合の対処法
マンションの光回線方式で遅い場合の対処法としては、以下の「光回線の下り(ダウンロード)速度が遅い原因」から確認しましょう。
(3)光回線の無線LAN(Wi-Fi)が遅い原因
光回線の無線LAN(Wi-Fi)が遅い原因は多くあり、
- 無線LANのルーターとの距離が遠い、または障害物がある場合
- ルーターに接続している回線が多い場合
- 自宅の家電と電波干渉が起きている場合
- ファイヤーウォールの設定なでの障害が起きている場合
- ルーターに不具合(故障など)が起きている場合
などです。
確認して分かる通り、基本的に光回線の接続は快適で、無線LAN(Wi-Fi)が遅い場合は、基本的にルーターに問題があります。
▼無線LAN(Wi-Fi)のルーターに問題がある場合の対処法
(4)光回線の下り(ダウンロード)速度が遅い原因
- 光回線の速度が遅いと感じた場合
- 光回線の下り(ダウンロード)速度が遅いと感じた場合
上記の2つの場合、以下で説明するすべてに原因がある可能性があります。
そのため、対処方法を1つ1つ確認していきましょう。
マンション・集合住宅ではない場合は「マンションで光回線が遅い対処法」は飛ばしてください。
3.マンションで光回線が遅い対処法
マンションで光回線が遅い場合は、「VDSL方式」「LAN配線方式」などの配線方式が原因です。
「LAN配線方式」の場合、上り・下りの速度は100Mbps程度と言われています。そのため、光回線会社やプロバイダを変更しても、速度の改善にはなりにくいです。
さらに問題なのは、「VDSL方式」ですが、こちらは光回線を利用している意味が、あまりありません。
対処法としては「VDSL方式」「LAN配線方式」共に、NTTの確認と工事を行い配線方式変更する、他社を利用するという形がお勧めで、詳細は「光回線のVDSL方式とは:変更することは可能?違いと対処方法」を確認してください。
4.無線LAN(Wi-Fi)のルーターに問題がある場合の対処法
無線LAN(Wi-Fi)に問題がある場合は以下のことを実行してみてください。
ファイヤーオールを無効化 | ・セキュリティソフトが障害になっているケースがあります ・一度無効化し、回線が安定するか試してください ・無効化して安定するようであれば、ご利用のPCでセキュリティ設定を行います |
ルーターを端末の近くに置く | ・ルーターと端末が遠い場合障害が起きる可能性があります ・ルーターと端末を近くに置く努力をしましょう ・おけない場合は、Wi-Fiの中継機を購入するなどしましょう。 |
異なるSSIDを設定する | ・SSID(アクセスポイントに接続するID) ・異なるSSIDが利用可能か、確認しましょう ・利用可能であれば、複数のSSIDに振り分けましょう |
Wi-Fiの周波数を5GHz帯に変える | ・Wi-Fiによっては周波数を変更することができます ・家電などの電波干渉が起きないように変更します |
ルーターの不具合故障を検討してみる | ・上記の対策でも改善しない場合は、故障や不具合を検討します |
(参照:DTI、Wi-Fiの通信が遅くなるさまざまな原因と対処法)
上記の流れで、対処を行ってください。解消しない場合は以下に進みましょう。
5.プロバイダに問題がある場合の対処法
回線速度はプロバイダによって大きく変わることがあります。
それは、プロバイダによるインターネットの混雑が原因となり、回線速度が遅くなっています。
対処方法は3つあり、
- (1)プロバイダに連絡し「Ipv6」の接続方式へ変更をする
- (2)「Ipv6」方式を採用しているプロバイダを変更する
- (3)「Ipv6」方式を採用している光回線へ変更する
上記、3つの方法があり、詳しく説明していきます。
光回線同様、プロバイダに障害が起きているケースもあるため、公式サイトなどをチェックしましょう。
(初めに)「Ipv6」とは?混雑を回避する
「Ipv6(v6プラス)」とは、インターネットの接続方式であり、従来の「IPv4(PPPoE)」方式と比較すると、インターネット送受信時の混雑ポイントを回避することが出来ます。
では、「Ipv6(v6プラス)に切り替えれば良い!」と思うかもしれませんが、一瞬で切り替えることが出来るものではありません。そのため、「Ipv6(v6プラス)」の接続方式に対応しているプロバイダを選択する必要があります。
回線の混雑が原因だと思う方は、「Ipv6(v6プラス)」の接続方式かまずは確認してみましょう。
(1)プロバイダに連絡し「Ipv6」の接続方式へ変更をする
先ほど、一瞬では切り替わらないとお伝えしましたが、プロバイダによっては、従来の「IPv4(PPPoE)」方式を採用しており、オプションで「Ipv6(v6プラス)」を提供している場合があります。
そのため、ご利用中のプロバイダに確認・連絡を行い、「Ipv6(v6プラス)」の接続方式に変更してもらう方法です。
変更には手数料が掛からないプロバイダも多いですが、料金がかかる場合があります。また、総務省(IPv6によるインターネットの利用高度化に関する研究会)もインターネットの混雑化には、懸念を示しており、プロバイダの対応も盛んです。そのため、連絡や切り替えの依頼は必要ですが、対応を待ってみるというのも選択肢の1つです。
(2)「Ipv6」方式を採用しているプロバイダを変更する
先ほど説明した、「(1)プロバイダに連絡し「Ipv6」の接続方式へ変更をする」で「Ipv6(v6プラス)」に対応していなかった場合、プロバイダを変更する方法となります。
このパターンは、フレッツ光(東日本・西日本)の方が多いのではないでしょうか。
「Ipv6(v6プラス)」に対応しているプロバイダを選択しなおしましょう。(設定などの手間は掛かりますが、工事費などは不要です。)
年間契約している場合は、解約料(3,000円~5,000円)ほど料金がかかるので注意が必要です。
(3)「Ipv6」方式を採用している光回線へ変更する
光コラボレーション事業者(フレッツ光の光回線を利用している会社)の場合、プロバイダとセット販売することで、料金を安くしているため、選択することが出来なくなっている場合があります。(ドコモ光は選択可能)
そのため、「Ipv6(v6プラス)」に対応している光回線会社から変更しなければなりません。こちらも、(1)で説明したように対応を待つという選択も可能ですが、時間がかかるため「待っていられないという方は」変更必須となります。
また、回線速度で悩んで切り替える場合、「最大概ね1Gbps」の速度でも良いので、
のいずれかに切り替えることをお勧めします。
接続方式が「Ipv6」を採用しているにも関わらず遅い場合は、それでも混雑している、または近くにインターネットのヘビーユーザーが存在していることが原因となり、確実に早い独自回線を持っている(フレッツ光関連ではない)回線への切り替えは有効です。
NURO光は、独自回線で下り2Gbpsが標準となりますし、「auひかり」は独自回線を利用しているため、快適にインターネットが可能な場合が多いです。(もちろん、「Ipv6(v6プラス)」対応。)
「確実に早い光回線にプロバイダごと変更する」という方法になります。
6.まとめ:それでも回線速度が改善しない場合
上記の手順で行って、回線速度が改善しない場合は、以下のことを行ってください。
- モデムなど機器の故障を疑う
- 契約している光回線会社などへ問い合わせる
以上の方法が最終的に行ってほしい項目です。
「光回線が遅い」というカスタマーセンターへの電話は、おそらく繁盛に受けている場合も多く、つながりにくいので最後の手段としておきましょう。
個人的には、速度が速く、安定している光回線会社を選ぶことが、最大の解決策だと思います。そのため、長く利用されている方は新しい光回線会社への乗り換えも是非、検討の1つして考えてみてください。