光回線の契約や内容は複雑です。
さらに、マンションの場合、その複雑さは増していきます。
ここでは、光回線をマンションで導入しようと考えたときに確認しておきたいことを説明していきます。
【マンションの光回線導入時の確認リスト】
1.光回線の対応エリア (個人で確認) | ●光回線を利用できるエリアかを確認 |
2.マンションのインターネット状況 (管理会社や家主への確認) | ●すでにインターネット費用を支払っていないか確認 ●光回線を個人契約で導入しても良いのかどうか確認 |
3.光コンセントの設置状況 (個人で確認) | ●ない場合:なくても導入可能です ●ある場合:管理会社に被光回線を一括契約していないか確認 |
4.光回線工事許可 (管理会社や家主への確認) | ●光回線を導入しても良いかの確認 ●外壁への「ビス止め」許可の確認 ●今まで同じマンション内に導入事例があるか確認 |
5.インターネットの配線方式の確認 (管理会社や家主への確認) | ●「VDSL方式」「LAN配線方式」「光回線方式」のいずれかを確認 ●「VDSL方式」の場合、光回線の導入を検討する |
6.月額利用料について | ●各社の月額利用料のルールを確認する (マンション内5室以上の利用などの縛りもある) |
1.光回線の対応エリアを確認する
戸建て住宅でも、分譲マンションでも賃貸マンションでも光回線の対応エリアかどうかの確認は必要です。
各社、都道府県で対応エリアを掲載していますが、本当に自分の自宅が対応しているかは不明確です。そのため、光回線会社の専用ページから住所を入れて確認しておきましょう。
・NTT東日本・西日本フレッツ光 ・ドコモ光 ・ソフトバンク光 ・ビックローブ光 ・So-net 光 ・エキサイト光 (全国対応) | 東日本検索:フレッツ光提供エリアのご確認 |
西日本検索:サービス提供エリア | |
NURO光 (関東・関西・中部エリア対応) | 検索:光回線サービス提供エリア拡大中 |
auひかり (全国対応) | 検索:提供エリア:光ファイバー auひかり |
auひかりちゅら (沖縄県限定) | 検索:提供エリア検索 |
eo光 (関西エリア+福井県) | 検索:eo光サービス提供エリアの確認 |
コミュファ光 (中部エリア) | 検索:戸建住宅提供エリア確認 検索:集合住宅(マンション)エリア確認 |
メガ・エッグ (中国エリア) | 検索:戸建(ホーム)にお住まいの方 検索:集合住宅(マンション)にお住まいの方 |
BBIQ(ビビック) (九州エリア) | 検索:サービスエリアチェック |
ピカラ光 (四国エリア) | 検索:ピカラ提供エリア |
上記は公式ページとなり、公式の正規代理店の方がお得なキャンペーンを展開しています。そのため「光回線を比較!本当はどこがいい?選ぶポイント」を確認の上、自分に合った光回線を選択してください。
フレッツ光の対応エリアを調べ、エリア内であれば、多くの光回線が利用することが出来ます。
そのため、
- フレッツ光回線の利用を確認
- その他、自分のエリアの回線を確認
最低限この2つの確認はお行っておきましょう。
フレッツ光の利用エリアで多くの光回線会社が利用できる理由
NTT東日本・西日本フレッツ光は、光回線の卸売を行っており、そのサービス名称が「光コラボレーション」と言います。
そのため、多くの携帯電話会社やプロバイダ事業者などが利用しており、名前を変更してNTT東日本・西日本フレッツ光の光回線を販売しています。
さらに詳しくは「光コラボレーションとは?おすすめの光コラボ事業者・回線を解説」を確認してください。
2.マンションのインターネット対応状況を確認する
インターネットを完備したマンションが近年増えてきています。
そのため、まずはマンションのインターネット状況を「管理会社」や「家主」に確認を行いましょう。
マンションのインターネット対応の記載は様々ありますが、主に、
- ブロードバンド対応マンション
- 光ファイバー(光回線)対応マンション
- インターネット完備・導入済みマンション
- インターネット無料マンション
などがあり、マンションでのインターネット回線の種類は以下の通りです。
光回線 | 光ファイバーを利用したインターネット回線 |
CATV | ケーブルテレビを利用したインターネット回線 |
ADSL・VDSLなど | 電話回線を利用したインターネット回線 |
高速モバイル通信 | モバイル端末を利用したインターネット回線 |
以上のどの場合においても、以下の2つのポイントで確認しなければなりません。
- (1)すでにインターネット費用が引き落としになっていないのか
- (2)光回線を個人契約で導入しても良いのか
この2つです。
(1)すでにインターネット費用が引き落としになっていないのか
インターネットに対応しているマンションの場合、すでに家賃や管理費用にインターネット費用が組み込まれている場合があります。
この場合、費用をキャンセルできるかどうか確認しなければ、光回線を導入しても2重で費用を支払っていることになるため損になるため確認しましょう。
実際に私の実家で費用を支払っているのに使っていない状態がありました。
(2)光回線を個人契約で導入しても良いのか
光回線の場合は、マンション一括契約を行っている場合があります。
そのため、
- 光ファイバー対応
- インターネット完備・導入済みマンション
の場合は、個人で申し込むのではなく、管理会社や家主で一括申し込みをしている場合があります。
そのため、個人契約で光回線を導入しても良いかの確認が必要といえます。
3.光コンセントが設置されているマンションかどうか確認する
マンションの場合、光ファイバーを宅内に通すための光コンセントが設置されている場合があります。
(画像参照元:Panasonic様:まとめてねットギガ、埋込光コンセント 愛三電気株式会社様:光コンセントより参照)
光コンセントがある場合、工事費が無派遣工事の2,000円(税抜)で済む場合もありお得なので確認をしましょう。
光コンセントが設置されていない場合でも、光回線工事で、光ファイバーの引き込み工事を行うので、安心してください。
光コンセントが設置されている場合の注意点
光コンセントが設置されている場合の注意点は2つあります。
- 光コンセントがある場合でも、屋外工事を行っていない場合
- すでにマンションで一括契約を行っている場合
などです。
光コンセントがある場合で、屋外工事が必要な場合には個人契約で光回線導入が可能か、管理会社や主に確認が必要です。
一般的にかかるマンションの光回線の工事費用目安
マンションタイプなどによっても異なりますが、一般的にかかる光回線導入の工事費用は以下になります。
屋内配線の工程がある場合 | 16,200円(税込) |
屋内配線の工程がない場合 | 8,208円(税込) |
宅内の配線設備等を再利用 自身で回線終端装置等を設置する場合 | 2,160円(税込) |
(参照元:フレッツ光より)
「光コンセント」がマンションにあり、そのマンションに契約する光回線がある場合は、基本的に2,000円+消費税で工事が完了します。
その他、光回線会社の工事費を調査した結果、マンションでは平均20,417円となっています。詳しくは「光回線の平均価格を有名14社から比較してみました」を確認してください。
4.光回線の工事許可が下りるかどうか確認する
光回線工事の場合、光回線の引き込み工事を行います。
(出典:auひかり ホーム:工事内容)
この場合、管理会社や家主に確認が必要なのは、
- 光ケーブルの引留め
- 光ケーブルの固定・保護
- 新規穴あけ(エアコンダクト・電話回線を利用しない場合)
部分に必要です。新規穴亜あけは賃貸の場合はほぼNGとなるでしょう。
工事が出来ない事象になりやすい「ビス止め」
光ケーブルの引留め、光ケーブルの固定・保護に「ビス止め(ネジで固定するため穴が外壁に空きます)」を行います。
そのため、管理会社や家主からは「外壁に穴を開けるのは駄目だと」光回線工事が出来ないなどの事象が発生します。
まずは管理会社と家主に確認しましょう。
ビス止めせずに強力な両面テープで固定できる場合もあります。詳しくは「光回線工事でビス止めしないで済む方法!」を確認しましょう。
光ケーブルを宅内に通すために共有部分を利用してしまう場合
管理会社や家主から光回線導入の許可が出た場合でも、光ケーブルを宅内に通すために、他の家や共有部分を通過する場合、許可が必要になります。
- 共有部分:管理会社や家主の許可
- 他の家:他の家に住んでいる方の許可
以上の許可がなければ工事ストップになるので、管理会社に確認する場合は「今まで光回線を導入した事例など」を確認しましょう。
5.マンションの配線方式を確認する
マンションでのインターネット回線の配線方式を確認しましょう。
なぜ、確認する必要があるかというと、高速なインターネットのイメージがある光回線を利用した場合でも、配線方式によっては、回線速度が遅くなるためです。
マンションの配線方式は以下の3つです。
- VDSL方式
- LAN配線方式
- 光回線方式
見てお分かりの通り、「光回線方式」であれば問題ないと言えるでしょう。
また、「光回線方式」より速度は劣りますが、「LAN配線方式」は共有部分まで光ファイバーを引き込み、LANケーブルを利用して接続を行う方式ですが、速度は標準的に出るといえます。
光回線の導入を考える必要がある「VDSL方式」について
問題は「VDSL方式」です。
「VDSL方式」の場合、光回線を共有部分まで引き込み、そこから電話線を利用してマンションの室内に引き込む方式です。
この方式の場合、「LAN配線方式」より回線速度が遅くなるため、光回線の導入に検討が必要といえます。
「LAN配線方式」の場合、上り・下りの速度は100Mbpsと言われており、マンションが大きい場合、光回線を引き込んだ共有部分から離れれば離れるほど、伝送損失というものが起こり、回線速度は遅くなります。
マンション全体が「LAN配線方式」場合には、変更するまたは、100%光配線方式の光回線会社を選択する必要があります。詳しくは「光回線のVDSL方式とは:変更することは可能?違いと対処方法」を確認してください。
6.光回線の月額利用料金(価格)を確認する
光回線の月額利用料は各社違います。(光コラボレーションを利用していても違います。)
また、NTTフレッツ光以外は、プロバイダ料金がセットになっており、先ほど説明した工事費と、月額利用料だけを考えれば問題ありません。
利用料金/月 | |
NTTフレッツ光 | 3,350円/月(+プロバイダ500円~/月) |
ドコモ光 | タイプA:4,000円/月 タイプB:4,200円/月 単独タイプ:3,800円/月 |
ソフトバンク光 | 3,800円/月 |
auひかり | 3,800円/月 |
NURO光 | 4,743円/月 |
ビックローブ光 | 3,980円/月 |
so-net光 | 4,600円/月 |
@nifty光 | 3,400円/月 |
excite光 | 3,360円/月 |
eo光 | 3,524円/月 |
コミュファ光 | 3,980円/月 |
メガ・エッグ | 3,800円/月 |
OCN光 | 3,600円/月 |
DMM光 | 3,780円/月 |
(参照元:「光回線の平均価格を有名14社から比較してみました」)
各社様々なキャンペーンを用意しており、上記の料金形態より安くなる場合もあります。また、利用中の携帯電話会社と光回線会社を合わせることで、月額料金はトータル的に一番安くなります。
マンションでのおすすめ光回線については「マンション・アパート(集合住宅)での光回線おすすめ5選」を参考にしてください。
マンションでの光回線月額料金の注意点
光コラボレーション以外のNTTではない独自回線を利用している会社の場合は注意が必要です。
例えば、契約数が多い会社としては、
- auひかり
- NURO光
などが該当します。
上記2社などの場合、マンション内にどれだけ、その回線会社を利用しているかで値段が決まります。つまり、「5室ならいくら」「10室ならいくら」、また「5室以上」などの縛りもあります。
そのため、こちらのページ「光回線を比較!本当はどこがいい?おすすめはコレ」を確認し、ご自宅に合った光回線を選択してください。
まとめ
光回線を(分譲・賃貸)マンションで導入する場合、
- 管理会社や家主に確認を先にした方が良いのか
- 光回線を先に契約した方が良いのか
非常に悩みます。
光回線会社と契約している場合、工事の詳細などを確認することが可能ですが、管理会社や家主からNGが出てしまう場合もあります。
一方、管理会社や家主に先に確認をした場合、工事の許可確認が曖昧な場合は、確認後でも工事許可が下りない場合もあります。
そのため、光回線会社を先に決め、契約前に相談しながら進めるのが一番良い方法になります。